『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』は、オーストラリアの作家ベンジャミン・スティーヴンソンによるミステリー小説です。
この作品は、3年ぶりに雪山のロッジに集まったカニンガム一家が巻き込まれる連続殺人事件を描いています。
物語は、語り手であるアーネスト・カニンガムが、自身の家族に起こった出来事を元に謎を解き明かしていくという設定です。
- タイトル: ぼくの家族はみんな誰かを殺してる
- 著者: ベンジャミン・スティーヴンソン
- 出版社: ハーパーコリンズ・ジャパン
- 発売日: 2024年7月
軽妙な語り口で描かれる物語は、最後のページまで読者を引き込み、予測不可能な結末があなたを待ち受けています。伏線回収の爽快感と人間ドラマの深さを同時に味わえる一冊です。
本の要約
起(はじまり)
カニンガム一家は、オーストラリアの雪山にあるロッジに3年ぶりに集まります。
この家族には、継父のマイケル、母親のキャロル、叔母のジューン、その夫ハロルド、兄のジェレミー、兄の元妻サラ、義妹のアリソン、語り手であるアーネスト(アーニー)、そして彼の妻が含まれています。
過去に父親が警官を殺したことで一家は複雑な関係を持ち、世間から白い目で見られています。
承(展開)
ロッジに集まった一家は、雪山で身元不明の焼死体を発見します。
発見された死体の手口は、連続殺人鬼「ブラック・タング」の犯行と酷似しており、一家は疑惑の目を向けられます。
アーネストは自分の家族の無実を証明するために、独自に調査を始めます。
彼は小説家としてのスキルを活かし、事件の真相を追求していきます。
転(転機)
調査が進むにつれ、家族それぞれの秘密が次第に明らかになります。
ジェレミーは実は自分が連続殺人鬼「ブラック・タング」であることを告白します。
彼は過去に犯した罪の重さに耐えきれず、自らの命を絶とうとしていました。
アーネストは兄の告白を聞き、家族の他のメンバーにこの事実を打ち明けるべきか悩みますが、真実を公にしないことを決意します。
結(結末)
物語の結末では、アーネストが兄ジェレミーの意志を継ぎ、家族を守るために事件を隠蔽します。
彼は一家の未来を考え、過去を乗り越える決意を固めます。
物語はアーネストの独白で締めくくられ、読者は家族の複雑な背景と、彼らが直面する現実の重さに思いを馳せることになります。
家族の絆とその脆さを描くこの作品は、ミステリーの枠を超えて深い人間ドラマを提供します。
読者レビュー
緻密な伏線と驚きの展開
ある読者は、本書の緻密に張り巡らされた伏線と、それが見事に回収される過程に驚きを感じたと評価しています。
事件の手がかりが少しずつ明かされる中で、自分の推理がどんどん外れていくことに読者は面白さを感じたようです。
また、第二弾の翻訳を心待ちにしているとのことです。
ユーモアと緊張感のバランス
本書の語り口が軽妙でユーモアに溢れているため、物語の緊張感と相まって、最後まで飽きることなく読めたという感想があります。
作者のバックグラウンドがスタンダップコメディアンであることが、こうしたユーモラスな要素を効果的に生み出していると評価されています。
家族の複雑な人間関係
家族が集まる雪山のロッジという設定が、読者に強い印象を与えたようです。
全員が何かしらの問題を抱える一家が、連続殺人事件に巻き込まれるという展開が、現実的にはあり得ない状況ながらも、どこか共感できる部分があるとの評価です。
家族の絆や信頼について考えさせられるという感想もありました。
まとめ
この作品は、ミステリーの王道とも言えるノックスの十戒に従い、読者に推理を促す構成となっており、謎解きの醍醐味を味わうことができます。
家族という普遍的なテーマを背景に、信頼や絆、そして秘密が交錯する物語は、単なるミステリーを超えた深い人間ドラマを提供します。
『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』は、緊張感とユーモアのバランスが絶妙で、最後のページまで目が離せません。
ミステリー愛好者はもちろん、家族の物語に興味がある方にもおすすめの一冊です。
興味が湧いた方は、ぜひ手に取って読んでみてください。
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